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前後軸パターニングと腎臓オルガノイドの誘導

Anterior-posterior patterning and induction of kidney organoids
小林明雄,西中村隆一
Akio Kobayashi/Ryuichi Nishinakamura:Institute of Molecular Embryology and Genetics, Kumamoto University(熊本大学発生医学研究所 腎臓発生分野)
10.18958/6939-00001-0000829-00

腎臓は生存に必須の臓器である.発生過程において,腎臓は複数の細胞系譜特異的な前駆細胞によって形成されていくが,それぞれの腎臓前駆細胞は発生胚の前後軸上の異なる組織に由来する.近年,発生胚の前後軸を決定するシグナル伝達経路を用いて,さまざまな腎臓前駆細胞を誘導する方法が確立されてきた.さらに,これら誘導された腎臓前駆細胞群を組合わせることにより,立体構造を有した腎臓オルガノイドを作製することも可能になってきた.本稿では,発生胚の前後軸パターニングを用いた腎臓オルガノイドの作製について総括する.

腎臓,ネフロン,集合管,間質,中胚葉,前駆細胞,細胞系譜

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