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肝臓におけるヒューマン・オルガノイド研究の最前線

Emerging human liver organoid platform for basic and clinical research
船田雅昭,仁尾泰徳,武部貴則
Masaaki Funata1)/Yasunori Nio1)/Takanori Takebe2)〜4):T-CiRA Discovery, Takeda Pharmaceutical Company Limited1)/Institute of Research, Tokyo Medical and Dental University2)/Center for Stem Cell and Organoid Medicine, Division of Gastroenterology, Hepatology and Nutrition & Developmental Biology, Cincinnati Children’s Hospital Medical Center3)/Department of Pediatrics, University of Cincinnati College of Medicine4)(武田薬品工業株式会社T-CiRAディスカバリー1)/東京医科歯科大学統合研究機構先端医歯工学創成研究部門2)/シンシナティ小児病院消化器部門・発生生物学部門・幹細胞オルガノイド医学研究センター3)/シンシナティ大学小児科4)
10.18958/6939-00001-0000827-00

肝臓は,肝実質細胞,クッパー細胞,星細胞,類洞内皮細胞,線維芽細胞などからなる機能ユニットを有した小葉構造をもつことを特徴とする.近年,ヒューマン・オルガノイド研究の進展により,複雑かつ多様な細胞からなる器官構造の人為的創出が可能となりつつある.肝臓においても,発生・再生現象や,それらの破綻に基づく病態の理解,さらには創薬・再生医療の加速が大いに期待されている.本稿では,飛躍的に進化を遂げつつあるヒト多能性幹細胞を用いた肝臓オルガノイド技術の原理基盤と最新事例を概説するとともに,医療応用に向けた次世代オルガノイド創出についての展望を議論したい.

ヒト多能性幹細胞,内胚葉,肝臓オルガノイド,多臓器,疾患モデリング,移植

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