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iPS細胞までの道のり:リプログラミングのメカニズム

Trajectory to iPS cells
髙橋和利
Kazutoshi Takahashi:Department of Life Science Frontiers, Center for iPS cell Research and Application, Kyoto University/J. David Gladstone Institutes(京都大学iPS細胞研究所未来生命科学開拓部門/グラッドストーン研究所)
10.18958/6503-00001-0000851-00

iPS細胞の開発から約10年,「リプログラミングとは?」という問いに答えるべく多くの研究がなされてきた.機を同じくして,ディープシークエンス,ゲノム編集,シングルセル解析など多くの技術的なブレークスルーがあり,これらはリプログラミングのメカニズムを理解するのに大きな後押しとなった.当初,ES細胞を用いた分化多能性に関する研究とそこから派生したiPS細胞・リプログラミングに関する研究はオーバーラップする部分が多かったが,近年では,両者の間には異なる部分も多くあり,より独自色の強い研究が増えてきたように感じる.リプログラミングのメカニズムは多岐にわたりここですべてを紹介することはできない.本稿では,近年多くの知見が得られつつあるリプログラミング途中の細胞が進む通り道について焦点を当ててみたい.

初期化,リプログラミング,転写因子,chemically iPS細胞,シングルセル解析

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