Vol.6 節の使い方をマスターしよう! No.2 that節の使い方のポイントはなに? [超基本の英文法-英語の語順に親しむ]

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Vol.6 節の使い方をマスターしよう!

No.2 that節の使い方のポイントはなに?

that名詞節として働くもので,他動詞の目的語やIt ~ thatの構文として使われることが多い.

i) that節が他動詞の目的語となる場合

that節はすべての他動詞の目的語となり得るわけではなく,that節を目的語にできる動詞は限られている.主なものを挙げると,表6-1のようになる.

show that ~~ということを示す
indicate that ~~ということを示す
suggest that ~~ということを示唆する
imply that ~~ということを意味する
demonstrate that ~~ということを実証する
note that ~~ということに注目する
conclude that ~~ということを結論する
estimate that ~~ということを見積もる
reveal that ~~ということを明らかにする
confirm that ~~ということを確認する
report that ~~ということを報告する
propose that ~~ということを提案する
hypothesize that ~~ということを仮定する
speculate that ~~ということを推定する
postulate that ~~ということを仮定する

表6-1. that節を目的語にできる動詞

既に述べた(第2文型(S+V+C)と第3文型(S+V+O)は英語の基本形)ようにthat節を目的語とする文は,第3文型能動態の中でも論文で好んで使われるものである.次の<例文48>のように短い主語とセットで用いられることが多い.

<例文48|that節:目的語>

We conclude that patients with some endogenous insulin secretory capacity do not depend on insulin for immediate survival.

(我々は,いくらかの内在性インスリン分泌能を持つ患者は即時の生存のためにインスリンには依存しないということを結論する

ii) It ~ thatの構文のthat節の使い方

that節が意味上の主語になるときには,itを形式主語として先頭に置く特殊な用法が使われる(例文49).

<例文49|itを形式主語とするthat節>

It is widely accepted that tumors are monoclonal in origin.

(腫瘍が単クローン性由来であるということは広く受け入れられている

It ~ thatの構文は,やたらと用いるものではないので効果的な使い方を考えよう.

iii) 同格のthat節を伴う名詞

関係代名詞のthatと紛らわしいものに同格のthat節がある.名詞の後ろに置いてその内容を説明するために使われるものだ.関係代名詞thatを用いた形容詞節とは異なり,that節の中だけで文が完結する必要があるので注意しよう(例文50).

<例文50|同格のthat節>

These findings support the idea that high iodine intake can induce autoimmune thyroiditis in genetically predisposed animals.

(これらの知見は,高いヨードの摂取が遺伝的に素因のある動物において自己免疫性甲状腺炎を誘導しうるという考えを支持する)

後ろに同格のthat節を伴うことができる名詞は決まっているので頭に入れておこう.表6-2のような名詞が論文でよく使われる.evidence以外は,必ずと言っていいほど前に定冠詞theが置かれる.

evidence that ~~という証拠
the hypothesis that ~~という仮説
the possibility that ~~という可能性
the fact that ~~という事実
the observation that ~~という観察
the idea that ~~という考え
the notion that ~~という考え
the view that ~~という見解

表6-2. 同格のthat節を伴うことができる名詞

<ここがポイント>

  • that節を目的語とする動詞は限られているので表6-1を確認しておこう.
  • 同格のthat節を伴う名詞にも決まったパターンがある(表6-2).関係代名詞のthatと間違えないように気を付けよう.

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プロフィール

河本 健(Takeshi Kawamoto)
広島大学大学院医歯薬学総合研究科助教.広島大学歯学部卒業,大阪大学大学院医学研究科博士課程修了,医学博士.高知医科大学助手,広島大学助手,講師などを経て現職.専門は,口腔生化学・分子生物学.概日時計の分子機構,間葉系幹細胞の再生医療への応用などを研究している.大学院生対象の論文英語の講義も担当している.
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