酵母においては,特定のタンパク質遺伝子のアンチセンス鎖,もしくはプロモーター領域から転写される長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)が,そのタンパク質遺伝子の発現を制御する例が複数知られている.しかしながら,具体的な作用メカニズムやlncRNAの動態については不明な点が多い.今回,米国NIHのDaniel Larsonらのグループは,ガラクトース代謝にかかわるGAL10のmRNA(sGal10),およびそのアンチセンス鎖から転写されるlncRNA(asGal10)を可視化してライブイメージングを行い,asGal10は,非誘導時におけるsGAL10転写の「もれ」を抑制していることを明らかにした.
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