透過型電子顕微鏡(TEM)は試料に波長の短い電子線をあてることにより,高分解能で電子透過率の空間分布像を得る技術であり,細胞内の微細な構造の可視化に威力を発揮する.TEMはその原理上,電子透過率の差で像にコントラストをつけるため,細胞内の構造を特定するには,目標の構造物に重金属等を付着させる手法が用いられる.例えば,四酸化オスミウム(OsO4)や酢酸ウラニル,鉛を作用させると種々の生体高分子のコントラストが上がる.しかしながら,DNA特異的にTEMでのコントラストをあげることは容易ではなかった.
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