がん細胞は,増殖のために炭素,窒素,硫黄の源となる栄養素グルコース,グルタミンなどを大量に消費して,必要とされる核酸,脂質,タンパク質などのバイオマスを生合成する.窒素源としてのグルタミンは,核酸合成における窒素のリザーバーとして機能している.グルタミンは,グルタミナーゼ(GLS)によりアンモニアとグルタミン酸に代謝され,グルタミン酸もまたプロリン,アスパラギン酸,分岐鎖アミノ酸の窒素源としてさまざまな経路で代謝される.一方で,グルタミン酸は,グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)によりアミノ基が取り除かれアンモニアとして排出され,また生成したα-ケトグルタル酸(α-KG)が炭素源として利用される.このように,グルタミンを代謝する過程で,
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