「ミクロの決死圏(Fantastic Voyage)」という古いSF映画(1966年公開)がある.物質を小さくする技術が実現した空想世界において,ミクロ化した潜水艇に医師団が乗り込んで血中から患者の脳内にできた血栓を破壊しにいく冒険劇を描いたもので,公開から50年以上経過した現在においてもなお,ここに描かれる技術は見るものに憧れを感じさせる.さすがに,現実世界にこのような技術が実現することはあり得ないと思われるものの,スタンフォード大学のSanjiv S. Gambhirらは,医師団を乗せたミクロ潜水艇の代わりに「がんを見つける」ための能力を付与した細胞を作製して体内に送り込むことでがんの早期発見をめざすという新たな技術の開発を報告した.
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