生体内のRNAはそのトポロジーにより直鎖状RNA,または環状RNA(circRNA)の2種類に大別できる.内在の環状RNAは5′末端と3′末端がつながっている一本鎖のRNAで,主にバックスプライシングとよばれる特殊なスプライシング反応により生成される(Chen LL & Yang L:RNA Biol, 12:381-388, 2015).HeLa細胞では通常,9,000〜10,000コピーの環状RNAが存在すると見積もられている.これまで環状RNAの生体内の機能としてマイクロRNAやRNA結合タンパク質を吸着する「スポンジ」としての役割が提唱されていた.今回,環状RNAに異常な自然免疫の活性化を抑制する役割があることを発見した論文(Liu CX, et al:Cell, 177:865-880, 2019)を紹介したい.
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