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自然免疫における環状RNAの役割

東京大学定量生命科学研究所 岩川弘宙

体内のRNAはそのトポロジーにより直鎖状RNA,または環状RNA(circRNA)の2種類に大別できる.内在の環状RNAは5′末端と3′末端がつながっている一本鎖のRNAで,主にバックスプライシングとよばれる特殊なスプライシング反応により生成される(Chen LL & Yang L:RNA Biol, 12:381-388, 2015).HeLa細胞では通常,9,000〜10,000コピーの環状RNAが存在すると見積もられている.これまで環状RNAの生体内の機能としてマイクロRNAやRNA結合タンパク質を吸着する「スポンジ」としての役割が提唱されていた.今回,環状RNAに異常な自然免疫の活性化を抑制する役割があることを発見した論文(Liu CX, et al:Cell, 177:865-880, 2019)を紹介したい.

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2020年2月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2020年2月号 Vol.38 No.3
PAIN—痛み
痛覚システムの最新理解と免疫・がん・多臓器への新たな役割

津田 誠/企画
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