ヘテロクロマチン形成に必須のタンパク質として知られるヘテロクロマチンタンパク質1(HP1)は,相分離によりドロプレット(液滴)を形成する活性があり,この活性によってヘテロクロマチンが占める微小空間が構築されている可能性が示唆されている.ショウジョウバエは,5種類のHP1をもち,なかでもHP1a(以降HP1と表記)は初期胚発生に必須のタンパク質であることが明らかとなっていた.しかし,HP1が受精卵において分化全能性を獲得する際引き起こされる,ダイナミックなクロマチン構造の再構築に直接作用するかどうかは明らかになっていなかった.
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