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多臓器組織チップによる体内のモデル化

マサチューセッツ総合病院 三木健嗣

器チップは臓器や組織の主要な機能をin vitroで再現するマイクロデバイスであり,将来的に従来の前臨床試験(培養細胞試験や動物試験)の代替的な手法として期待されている.人体ではさまざまな臓器組織が複雑に相互作用しており,その複雑性をモデル化するためには異なる人工組織を一つのチップ上で培養し,組織間の相互作用を可能にする必要がある.しかし,in vitroで培養している組織は組織ごとに使用する培地が異なるため,一つのチップ上に同一の培地で各組織の機能や成熟度を維持できないという問題があった.今回,コロンビア大学のNovakovicらのグループは,①各組織ごとに培養環境を分け最適化し,②各組織を流路でつなぎ,③各組織と流路をサイトカイン等を選択的に透過する内皮バリアで分離することで,多臓器組織チップの開発に成功した(Ronaldson-Bouchard K, et al:Nat Biomed Eng, 6:351-371, 2022).

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DOI:10.18958/7133-00004-0000243-00

2022年10月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2022年10月号 Vol.40 No.16
免疫チェックポイント阻害薬の“耐性”に挑む
がん免疫サイクルから見出す戦略

冨樫庸介/企画
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