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微妙な発生速度の違いが大脳新皮質の生物種差を生み出す

東京都医学総合研究所 脳神経回路形成プロジェクト 隈元拓馬

乳類において脳発達期間は生物種によって異なるが,脳発達段階における発生プログラムには多くの共通性がみられる.哺乳類の妊娠期間には大きな違いがあり,例えばキタオポッサム(Virginia opossum)は11日しかないが,インドゾウは655日も必要とする.脳発達期間が脳の形態変化に現れる顕著な例として,ヒトの巨大な大脳新皮質は発生期の神経細胞増殖期の延長が反映されている(Stepien BK, et al:Curr Biol, 30:4227-4237.e5, 2020).一方哺乳類間における脳発達期間の違いが,発生プログラムのタイミングや発生速度へどのような影響を与えるのかは不明であった.

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DOI:10.18958/7381-00004-0001094-00

2023年12月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2023年12月号 Vol.41 No.19
炎症老化 Inflammaging
老化に伴う慢性炎症を紐解き、加齢関連疾患の制御へ

尾池雄一,真鍋一郎/企画
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