学際的な研究はさまざまな分野を専門とする研究者の協力によって実現される.例えば,2024年のノーベル化学賞受賞につながったAlphaFold 2には,計算機科学,機械学習,バイオインフォマティクス,構造生物学などを専門とする34人の研究者がかかわっている.先端的な問題に挑戦するために,大規模なチームを組織する恩恵は大きいが,そのためには異なる分野の研究者のコミュニケーション,興味・関心の一致,潤沢な研究資金の確保など,さまざまなハードルがある.一方で,ChatGPTをはじめとした大規模言語モデル(LLM)の普及により,さまざまな専門知識へのアクセスがこれまでと比べて容易になりつつあるが,個々の科学的な疑問に答えることと,チームとして研究に取り組むことには隔たりがあるように思われる.
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DOI:10.18958/7657-00004-0001847-00