動脈硬化性疾患(心筋梗塞,脳梗塞,大動脈瘤)は治療技術の進歩が著しい現在においても全世界的に死亡原因の上位を占めている.動脈硬化は血管内膜へのlow-density lipoprotein(LDL)の蓄積とマクロファージによる慢性炎症により惹起される.またマクロファージはLDL取り込みにより泡沫マクロファージ(FM)に変化することが知られ,動脈硬化プラーク内の特徴的細胞である.FM内LDL過剰蓄積は細胞死を誘導しnecrotic lipid core(不安定プラーク)を形成する.動脈硬化進展はnecrotic lipid core増加と線維性プラーク減少を特徴とし,プラーク不安定化に伴う心血管疾患の発症を助長する.
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DOI:10.18958/7657-00004-0001846-00