CXR（胸部X 線）に縁がない臨床医はおそらくきわめて少ない．多くのレジデント諸君は，毎日のように目にしていることであろう．断層画像全盛ではあるが，いまだにCXRほど繁用される画像診断のモダリティはない．しかし残念ながら，これを十分に使いこなしている医師はきわめて少ないように思える．なんとなく“肺の，この部分が白い”とか“縦隔が拡大している”といった読影が横行して，“なんか変だからCT”になってしまうらしい．（中略）CXR読影の上達方法に王道はない．まずは毎日多くの読影をしてCXRに慣れることである．次第に正常か異常かわかってくるだろう．このとき，画像上に現れる種々の陰影が実際に何を示すのかCTがあれば比較検討して，教科書を広げながら自分で考えてみることが重要である．また，実例で示したように過去画像があれば必ず比較することや，他領域の画像にもヒントがかくれていることがあるのでなるべく確認することも重要である．苦労して診断にたどり着いたときの喜びはひとしおであり，その診断過程で身につけた知識は後々忘れないものである．上級医に相談する前に，自分で考える習慣をつけてほしいと思う． 今回の特集は日常遭遇する機会の多い病態について，それぞれ胸部画像診断や救急画像診断の達人たちに執筆していただいた．ただひたすら読影しても知識がなければ始まらない．まずは一読していただきたい．日常何気なく見ていたものが何を示すのか，どのような所見で何を考えたらいいのかわかってくるのではないかと思う．この特集で多くのレジデント諸君が胸部単純X線写真に興味を抱いて，面白いと思ってくれることを願っている．
CXR（胸部X 線）に縁がない臨床医はおそらくきわめて少ない．多くのレジデント諸君は，毎日のように目にしていることであろう．断層画像全盛ではあるが，いまだにCXRほど繁用される画像診断のモダリティはない．しかし残念ながら，これを十分に使いこなしている医師はきわめて少ないように思える．なんとなく“肺の，この部分が白い”とか“縦隔が拡大している”といった読影が横行して，“なんか変だからCT”になってしまうらしい．（中略）
CXR読影の上達方法に王道はない．まずは毎日多くの読影をしてCXRに慣れることである．次第に正常か異常かわかってくるだろう．このとき，画像上に現れる種々の陰影が実際に何を示すのかCTがあれば比較検討して，教科書を広げながら自分で考えてみることが重要である．また，実例で示したように過去画像があれば必ず比較することや，他領域の画像にもヒントがかくれていることがあるのでなるべく確認することも重要である．苦労して診断にたどり着いたときの喜びはひとしおであり，その診断過程で身につけた知識は後々忘れないものである．上級医に相談する前に，自分で考える習慣をつけてほしいと思う．
今回の特集は日常遭遇する機会の多い病態について，それぞれ胸部画像診断や救急画像診断の達人たちに執筆していただいた．ただひたすら読影しても知識がなければ始まらない．まずは一読していただきたい．日常何気なく見ていたものが何を示すのか，どのような所見で何を考えたらいいのかわかってくるのではないかと思う．この特集で多くのレジデント諸君が胸部単純X線写真に興味を抱いて，面白いと思ってくれることを願っている．
研修医が救急での実践で困ることを中心に，実際の症例をあげながら，基本的な読影のしかたや，ピットフォール，さらにはCTに進むべきタイミングを解説．症例呈示＆解説の形式で，読影のトレーニングにもオススメ！
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