1 心房細動とは? 心電図上において迅速で,不規則,多形態の心房興奮波を有する不整脈である 不整脈のなかの分類としては頻脈性上室不整脈に属する 罹患率は高く,コモンディジーズとして取り扱われている 肺静脈内から生じる群発性の局所巣状興奮が引き金となることが多い 加齢,高血圧,心不全,貧血,脱水,感染,甲状腺機能亢進症などが誘発因子となる 危険性の高い不整脈ではないが,虚血性脳卒中(脳塞栓症)を合併する疾患として知られている … 池田隆徳(東邦大学大学院医学研究科 循環器内科学) 続きを読む
1 心房細動とは?
池田隆徳(東邦大学大学院医学研究科 循環器内科学)
循環器薬の基本情報から病態に応じた具体的な投与法まで学べる実践書!使い分けから減薬・フォローまでわかる薬剤編と薬物治療の原則から不適切処方,患者への説明までわかる疾患編で頻用薬をコンパクトに解説!
医療法人社団葵会 南八王子病院 院長新 博次
われわれの世代が国家試験合格の後、入局し臨床の現場に出たとき(今日では臨床研修が開始されたとき)には、現場で使用されている薬剤についての知識は少なく、多くのことを先輩医師に教えを請わねばならなかった。
薬物治療の本質をみると、患者体内の不都合な環境の一部を改善し、その個体の回復力に期待するものと、強制的に薬剤の毒性をもって制御するものとがある。循環器疾患に使用される薬剤の多くは前者であるが、抗不整脈薬は後者にあたる。実際の使用に際しては薬剤の薬理学的特性、薬力学的作用の強弱を勘案して選択し使用することになる。残念ながら、現実はパターン認識に基づく選択で使用されることが多いのではないかと思っている。循環器領域ではさらに問題を複雑にしている局面がある。それは病態・病状の変化に伴い用量調節を必要に応じて行う必要があることである。実際、患者背景を考慮した初期投与量を設定し、病状の推移に伴う用量調節も適切に行なわなければならない。臨床医には、このような面倒な循環器薬をうまく使いこなすことが求められている。
既存の書籍で処方に関する定評のある指南書もあるが、いずれも持ち歩きには適さないサイズである。本書はハンディサイズで、薬剤名のみならず、疾患名からも薬剤の検索が可能であり、特に多忙な診療現場での活用には適した書籍となる。内容的にも副作用の記述のみではなく、薬理作用の違い、類似薬との使い分けといった見出しを設け、実践に即した重要な情報が記載されている。疾患編では“うまくいかなかった場合の裏ワザ”、“患者への説明”といった項目があり、これら斬新な企画により本書の臨床的利便性を高めている。研修医から、これから循環器専門医を目指す医師、循環器専門医、臨床の現場で多忙な診療をこなしている必ずしも循環器を専攻していない臨床医の皆様にもお薦めの1冊である。
『循環器ジャーナル Vol.68 No.3』(医学書院)より転載
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