本特集では便秘を取り上げました.便秘診療における総合診療医の役割は,患者さんの「便秘における受療行動」と「便秘に対する解釈モデル」をふまえ,「ジェンダー・ライフサイクルと便秘」を意識してアプローチすることであると考えます. 〈中略〉 ●便秘における受療行動 〈中略〉 次に,便秘は地域において頻度の高い愁訴です.継続的な健康問題では,高血圧,骨粗鬆症,糖尿病,白内障,変形性膝関節症,睡眠障害・不眠についで多いと報告されています.そのため総合診療医は,その生活指導(食事・運動),薬物療法の適応と実際,便秘をきたす器質的疾患の鑑別と検査適応について熟知しておく必要があります.ただし,便秘を自覚しても必ずしも医療機関を受診しているとは限らず,実際に便秘で受診しているのは便秘を有する人の一部のみであることを再認識しておきます 〈中略〉 ●便秘に対する解釈モデル 便秘を自覚した人が,医療機関を受診し“便秘の患者”となった際には,その患者さんなりに「便秘に対する解釈モデル」,つまり「便秘へどのように対処・行動し,どのように考えているか」があると考えられます.これは,医師など医療者の認識と異なることも多いうえ,便秘は食や睡眠とともに人間にとって生理的な排泄についてであることから,総合診療医の役割は患者さんの「便秘に対する解釈モデル」をふまえた診療を行うことであると言えるでしょう. 〈中略〉 ●ジェンダー・ライフサイクルと便秘 男性・女性,乳児期・幼児期・学童期・青年期・成人期・老年期のおのおのについて,環境(同居人の有無,学校生活や職場・就労環境,食生活,運動習慣,食材の買い物や料理に関する情報),心理面などもふまえ便秘についてアセスメントすることが望まれます. 〈中略〉 ●本特集のねらい 便秘は日常診療で多く経験しますが,下剤処方だけでは,そのやりがいは見出せないと考えられます.本稿では,共編者の阿部 剛 先生のお力添えで消化器内科をご専門とする先生方にも多くご執筆をいただきました.本特集が,読者の先生方が小児から高齢者まで幅広い便秘の患者さんを対象に,総合診療医として包括的なアプローチを行うことに少しでも役立てば幸いです.
本特集では便秘を取り上げました.便秘診療における総合診療医の役割は,患者さんの「便秘における受療行動」と「便秘に対する解釈モデル」をふまえ,「ジェンダー・ライフサイクルと便秘」を意識してアプローチすることであると考えます.
〈中略〉
次に,便秘は地域において頻度の高い愁訴です.継続的な健康問題では,高血圧,骨粗鬆症,糖尿病,白内障,変形性膝関節症,睡眠障害・不眠についで多いと報告されています.そのため総合診療医は,その生活指導(食事・運動),薬物療法の適応と実際,便秘をきたす器質的疾患の鑑別と検査適応について熟知しておく必要があります.ただし,便秘を自覚しても必ずしも医療機関を受診しているとは限らず,実際に便秘で受診しているのは便秘を有する人の一部のみであることを再認識しておきます
便秘を自覚した人が,医療機関を受診し“便秘の患者”となった際には,その患者さんなりに「便秘に対する解釈モデル」,つまり「便秘へどのように対処・行動し,どのように考えているか」があると考えられます.これは,医師など医療者の認識と異なることも多いうえ,便秘は食や睡眠とともに人間にとって生理的な排泄についてであることから,総合診療医の役割は患者さんの「便秘に対する解釈モデル」をふまえた診療を行うことであると言えるでしょう.
便秘は日常診療で多く経験しますが,下剤処方だけでは,そのやりがいは見出せないと考えられます.本稿では,共編者の阿部 剛 先生のお力添えで消化器内科をご専門とする先生方にも多くご執筆をいただきました.本特集が,読者の先生方が小児から高齢者まで幅広い便秘の患者さんを対象に,総合診療医として包括的なアプローチを行うことに少しでも役立てば幸いです.
便秘を訴える患者さんに「とりあえず下剤」ですませていませんか?適切かつ患者さんも満足する改善策をとれるよう,鑑別や処方薬の選択はもちろんのこと,患者背景をふまえた生活面へのアプローチや説明法を解説!
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総合診療への期待
予防医療につなげる~健康ライフコースデータ基盤整備
川上浩司
Common disease診療のための ガイドライン早わかり
第20回 めまい
【宮﨑浩充】
聞きたい! 知りたい! 薬の使い分け
第20回 抗リウマチ薬の使い分け 〜非専門医でも処方してよい? 処方時の注意点は?〜
【照屋周造】
誌上EBM 抄読会 診療に活かせる論文の読み方が身につきます!
第18回 消化管出血にトラネキサム酸を投与すべきか?
【渡邊 崇,野口善令】
小児科医 宮本先生,ちょっと教えてください! 教科書には載っていない小児診療の極意,保護者への伝え方
第9回 園医・校医を頼まれたら
【宮本雄策】
なるほど! 使える! 在宅医療のお役立ちワザ
第14回 訪問管理栄養士と連携しよう!
【洪 英在】
優れた臨床研究は,あなたの診療現場から生まれる 総合診療医のための臨床研究実践講座
第1回 臨床研究者になるための6つの要件
【福原俊一,片岡裕貴】
思い出のポートフォリオを紹介します
第18回 救急~救急搬送時の認知エラーから学んだ陥りやすい認知心理~
【小林知貴,田妻 進】
広げよう,学びの輪 勉強会へようこそ
中四国若手医師フェデレーション(CSYFe)