沖縄県立中部病院外科研修医の小林信です.途上国や被災地などで働く医師になりたい,と思い,最新の機械に頼らず自分の基本的診察能力で診断,治療できるようにと中部病院に来ました.そのなかで病歴聴取,身体所見,単純X線など最低限の検査だけで多くの診断にたどり着けること,そして誤診や見落としの多くはこれら基本的診察が不十分であるために起こっていることに気づきました.今回の誌上カンファレンスでは,病歴聴取,身体所見,単純X線などに焦点を当て,これらの重要性,インターン,学生が陥りやすいpitfall,それから中部病院のチーフレジデントとして普段考えていることや教えていることを書いていきたいと思います.誌上カンファレンスの内容は,日常診療に直結したものばかりです.普段の何気ない診察に新しい目で取り組めるような内容にしたいと思います.