レジデントノートインタビューコーナー『あの先生に会いたい!』では,さまざまなフィールドでご活躍中の先生に,医師として歩んでこられた道のりや,現在,そして将来のこと,さらに私生活とのバランスの取り方などについて語っていただきます.また番外編では,本誌に収まりきらなかった内容をホームページ限定で紹介していきます.
小林先生(以下敬称略):今のスーパーローテーションに,私の2個上の代からなったんですけど,スーパーローテーション制度での研修医の在り方や,どのように学べばいいのか,あるいはプライマリ・ケア医になるには,どうしたらいいかについてお聞かせいただけますか.
名郷先生(以下敬称略):1つは,やはり受けもった患者さんの抱えている問題について勉強する.ということだと思うな.それ以外の勉強をしてもあまり身につかないしね.リアルに抱えている臨床の問題として勉強するということが,やはり何と言っても大事だと思うよ.
小林:勉強して,患者さんに還元する.たしかに,論文をしっかり読むとか,そういうことをしがちにはなるんですけれど,すぐ還元しないといけないですよね.
名郷:そうですね.だから,やはり,そんなに時間をかけて勉強できないことが多いしね.短時間でより質の高い勉強というと,指導医にちゃんと聞くとか,やはりそいうことの方が大事だったりするわけです.ただ,そういうことばかりやっていると,言われるままに動くことしかできなくなるから,それだけではなくて,自分で問題解決できるように「EBMの5つのステップ」と「その場の1分,その日の5分」を追加できると良いね.プライマリ・ケアとかジェネラリストとか言った場合,自立した学習方法をきちんと身につけていることはすごく大事だから.狭い分野だけで最新の情報をフォローアップしていくというのであれば力技でも勉強できてしまうけど,そういった非常に幅広い領域において,常に知識を更新していかなくてはいけないところを力技でやろうと思うと,本当に優れた人だけしか生き残れないからね.だから効率のいいEBMのようなものを手法として身につけるということがすごい大事だなと思うよ.
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