レジデントノートインタビューコーナー『あの先生に会いたい!』では,さまざまなフィールドでご活躍中の先生に,医師として歩んでこられた道のりや,現在,そして将来のこと,さらに私生活とのバランスの取り方などについて語っていただきます.また番外編では,本誌に収まりきらなかった内容をホームページ限定で紹介していきます.
高田先生(以下敬称略):現在の研修医は,多くの場合,大・中規模の病院で研修する方が多いと思います.恐らく研修医の多くは,こぞって「あれやった,これやった」という方向に走りがちだと思うのですがその辺りはどうお考えでしょうか.
今先生(以下敬称略):そうですね.手技は大事だと思います.手技が上手になると自信がつきますからね.自信がつくと,その自信を周りのスタッフが見抜きますので,そうすると信用してもらえます.信用されると温かくしてくれて,良い方に回ります.ところが「手技ができない,口だけ」となると,周りの人から「あの人全然駄目,見栄ばっかり張ってる…」となり信用してもらえない.信用してもらえないと優しくしてくれないので仕事が上手く回らない.ですから,手技自体はとても大事だと思いますので,そんなに経験することがない手技だとしても,なるべく上へ上へと取り組んでやった方がよいと思います.
手技はなんといっても安全なコツを覚えることですよ.合併症を起こさないようなやり方のコツ.それは,その手技をやっていれば開眼してきますよね.開眼した人が恐らく教え上手なんですよ.でも,世の中にいっぱい名人がいると思うのですが,その名人のところに常に若い人が教えを請いに行っているかというと,そうではありません.今,少しずつ若い人たち向けに,そういう手技はどうすればいいかという本だったり,あるいは気管挿管の講習会や,JATECなどができてきているので,今の研修医はラッキーですよね.講師になっているのは,昔苦労した私たちなわけです.そういうことをはじめとして,今,少しずつ日本の医学教育がしっかりしてきているので,これからの人には期待できます.
高田:だからそういうものを,もう貪欲に求めていって…
今:やらなくては駄目です.貪欲に手技をやって,とにかく手先のことをある程度身につければ上手くスタッフと交流できるので,より良い仕事ができるのではないでしょうか.
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