新研修医として新しい門出を迎えた皆さん,元気ですか? ほんの数カ月前までは,最後の学生生活を満喫していたのに,今じゃ上司からも看護師さんからも,患者さんからも毎日怒られて,同期の仲間はみな,素晴らしい医師にむかって生き生きと努力しているように見えてしまい,自分だけおいてきぼりなんじゃなかろうか…なんて塞ぎ込んでいませんか? 大丈夫,大丈夫!! 不安なのはみんな同じ,あせらず「毎日,一生懸命患者さんと話をし,診察をし,家に帰ったら患者さんの顔を思い浮かべて教科書を読み,1日に1つ賢くなろう」という姿勢を忘れなければ,どんなところで研修しても,それなりに良い医者になれるから心配ないですよ.今の不安な気持ちを忘れないで,来年後輩が入ってきたら悩みをわかってあげる先輩になってくださいね.1年も経つと最初の謙虚な不安を忘れてしまって,患者さんに横柄な態度で接したり,後輩研修医を「お前らこんなことも知らんのか!!」といっていじめる“横暴医者”に変身する人って結構多いんですよ….
前置きが長くなりましたが,このコーナーでは救急外来研修で困ることをテーマに雑談を展開してゆこうと思います.研修で疲れたらソファーに寝転がって読んでくださいね.
第1回目のテーマは『救急外来研修で何を学べばよいの?』です.「将来の専攻分野にかかわらずすべての医師は救急医療に精通し…」なんて大そうな目標を掲げられても,救急外来には指導医もいないし,患者さんは次々とやってくるし,「いったい何を勉強すればいいんだー!!」と途方にくれている人のためのテーマです.それでは,はじまり,はじまり…