最近の医学教育では,見学だけではなく実際の医療現場に参加して研修する参加型実習を行うようになってきました.しかし,参加型実習が増えたとは言え,医学生が外来で責任をもって診療することはありません.また,初期研修医も救急の研修をすることはあっても,通常の外来診療の研修をすることはほとんどありません.だからこそ診療所の実習で外来診療の研修を経験してもらいたいと思っています.
実際に診療所にやって来る外来の患者さんへの対応は救急の場とは違います.外来では来た患者さんのその後のケアまで責任をもって行わなければいけないのです.また患者さんのもってきた問題だけでなく,その方のhealth maintenanceや周囲の家族のことも考えての継続診療を心がけなくてはいけません.そういった診療はいろいろな科をローテーションしただけでは学習することは不可能です.
最初は見学を行ってもらいますが,何回か見学をした後に,指導医から許可の出た研修生は参加型の実習を行ってもらいます.以下に当院で行っている外来研修の流れを説明します.
レジデントデイでの振り返りの様子.
外来の研修方法は医学生,初期研修医,専攻医とも基本は同じであり到達目標が異なっているだけです.外来診療は日本の医学教育のなかで最もおろそかにされてきた分野です.health promotionを意識した家庭医療に特徴的な外来診療を経験されることは,今後の自分の診療を広げるために必ず役立ちますので,希望される方は当クリニックまでご連絡ください.