JHospitalist Network 宇井睦人(川崎市立井田病院 総合診療科╱かわさき総合ケアセンター) レジデントノート2015年3月号掲載 所属はレジデントノート掲載当時のものです [SHARE] ツイート 国内ではいまだ入院患者を中心に診るホスピタリスト(病院総合医)のネットワークは確立されていない.そこで2013年12月,実臨床現場で活躍している若手ホスピタリストが東京に集まり,ここで全国の病院で活躍しているホスピタリストが情報提供を行い,交流を深めると同時に優れた教育の普及を図ることを目標においた「JHospitalist Network」が誕生した. 入院患者を中心に診るホスピタリスト(病院総合医)のネットワーク われわれホスピタリストはこれまで横のつながりがあまり活発ではなく,もっと全国各地で活躍されている先生方との勉強会や意見交換などの交流をもちたいと若手医師で常々話していた.今回,東京ベイ・浦安市川医療センターの山田 徹先生らが中心となって「JHospitalist Network」を立ち上げた.このネットワークの一番の目的は,全国で活躍されているホスピタリストの先生方とメーリングリストや勉強会を通して交流を深め,今後の日本のホスピタリストの発展に寄与することである. 全国のホスピタリストから提供されるMedical Updateと,施設紹介 「JHospitalist Network」ホームページのコンテンツの一部を紹介する. Journal club:EBMの5つのステップに基づいた構成でJAMAに基づいた論文の批判的吟味を行い,1カ月に1〜2本のペースで紹介している. Clinician update:ホスピタリストがフォローすべき論文を選択して,構造化抄録の形でまとめている.雑誌Hospitalistの発行号ごとの一覧に加えて,専門領域別にまとめPubmedへリンクしている. Clinical question:実際の症例に即した臨床的な問題を対象とし,エビデンスや経験に基づき,かつ明日の診療につながる答えを提供している.おおむね毎週1本のペースで掲載されている. Clinical bundle:医師はくり返し同じ疾患をみることによって自分なりの方法を確立するが,業務の煩雑さも相まって科学的根拠のある治療法や予防策を実施していないことがある.このような問題を解決する1つの策として,科学的根拠が高く,シンプルかつアクセスが容易な診療項目の厳選集(クリニカルバンドル)の活用が有効であると考えられており,順次紹介している. 施設紹介:全国の施設における研修内容の共有やネットワーク作りを行うことを目的として,掲載を受け付けている. ヘルスケアシステム:全国の施設で行っているカンファレンスや取り組み・運営方法など,実際に見学に行かないとなかなか共有できない内容を紹介している. また2015年2月7日に,東京ベイ・浦安市川医療センターで第1回JHNセミナー(The 1st JHospitalist Network seminar)を開催した.内容についての詳細はホームページを参照していただきたい.