第11回 若手医師のための家庭医療学冬期セミナー 開催報告 松島和樹〔飯塚・頴田家庭医療プログラム(現:金井病院総合診療科/関西家庭医療センター)〕 レジデントノート2016年6月号掲載 [SHARE] ツイート 今回は2月20日(土)〜21日(日)の2日間,東京大学で行われた冬期セミナーの概要を報告します. 準備にかけた1年間 日本プライマリ・ケア連合学会では,年に1回の学術大会と別に,生涯教育を目的とした春季・秋季セミナー,学生・初期研修医を対象とした夏期セミナー,そして後期研修医(専攻医)から専門医取得後5年目の医師を主な対象とした冬期セミナーを開催しています.冬期セミナーの特徴は,若手医師が主体となってセミナーをつくり上げることです.約1年前から企画メンバーを募集し,会場を決め,ワークショップの内容や講演の内容を決めていきます.メンバーのなかには,家庭医療の専攻医以外にも,市中病院や大学病院で総合診療を行っているメンバーもいます.若手医師にとって本当に必要な学びは何か? という視点でセミナーをつくり上げていきました. 多彩な学びと交流の2日間 全体講演後の一枚です.多くの方々にご参加いただきました. 今年は途中から雨となりましたが,300名を超える方々にご参加いただきました. 「Link 〜紡ぎ,広げる わかてのわ〜」をテーマに掲げ,若手同士の交流を盛んにすることも目標としました.はじめての試みとなったプレセミナーでは,若手医師同士で問題を共有したり,新たな繋がりをつくったりすることができました.1日目は訪問リハビリ,女性のヘルスメンテナンスなどの魅力的なワークショップがあり,その後の全体講演では講師の方々に「新専門医制度」についてご講演いただきました.夜には懇親会・二次会を開催し,普段離れた地域にいて会えない仲間との交流を楽しみました.2日目にはワークショップと,若手医師部会定会を行いました. ワークショップは全部で28個もあり,医学的スキルを学ぶもの,家庭医療ならではの家族ケアや緩和ケアを学ぶもの,診断推論に関するもの,教育,EBM,研究,経営に関するものなど幅広い内容で,総合診療医として大事なスキルを学べるものばかりでした. 第12回にむけて 次回の開催にむけて,すでに新たな企画メンバーが動き出しています.若手医師にとってためになるだけでなく,家庭医療に興味のある医学生・研修医や,現場で活躍されているベテランの先生方にも楽しんでいただけるセミナーになると思います. 毎年12月ごろに参加者募集開始となります.数日で半分以上のワークショップの定員が埋まってしまいますので,興味のある方はぜひホームページをご覧ください!