総合診療はおもしろい!

第7回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 in 浅草
井上博人(横須賀市立うわまち病院 救急総合診療科/地域医療のススメ 専攻医/日本プライマリ・ケア連合学会 専攻医部会 副代表)

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2016年6月11〜12日,浅草にて第7回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会が開催された.5,600人を超える参加者が全国から集まり,多種多様なテーマについての発表やワークショップが行われた.本大会の参加者として若手医師の視点でレポートする.

祭囃子のような参加しやすく熱い議論

6月でそろそろ暑くなってきた梅雨入りの頃合,天気が危ぶまれていたが,当日は晴れて学会日和だった.浅草周辺は屋台が立ち並んでおり,ついつい寄り道をしたくなる気持ちをやり過ごしながら早足で会場に到着した.

学会というものにどんなイメージをもっているだろうか.取っ付きにくい固い印象があるかもしれない.参加するとわかるが,プライマリ・ケア連合学会に関して言えば,真逆の印象だと思う.色んなフィールドで活躍している人たちが参加し,明日からの診療に役立つ情報を知ることができる.誰でも参加しやすいのでラフな印象があり活気もある.実際,浅草という町の雰囲気もあり,お祭りのような盛り上がりを見せていた.

会場の入り口には,レジデントノートでもおなじみの林寛之先生が多くの人にとり囲まれていた.有名な先生の話が直接聞けるところも学会の良いところだと思う.

学会の面白さと学び

懇親会での一幕,台東らしいお祭りの演出がありました.楽しい雰囲気がこの学会を表しているようでした.

会場ではいろいろなテーマのシンポジウムや発表,ワークショップが同時並行で行われる.かく言う自分も睡眠時間を削って作成したポスターを冷や汗まじりで発表させていただいた.「嚥下困難などで経口摂取困難な症例を適切な投薬をすることで経口摂取可能な状態に改善できる」といった興味深い発表もあり,抄録だけでも一見の価値があると思う.

ワークショップは興味のあるテーマについて勉強できるだけでなく,年代を越えたグループで意見を出し合うことで,自分の知見も広げることができる.私は「家庭医に求められるリーダーシップ能力」というテーマのものに参加させていただいた.普段,初期研修医や学生と診療を振り返る際に後ろ向きな反省をしがちであるが,出来たことや良いところを拾い上げることがリーダーとして大切であると学んだ.

プライマリ・ケア医の未来

総合診療医・家庭医・地域医療の未来についてもシンポジウムで語られた.世間のニーズに応えられる魅力ある医療を実践したいと気持ちを新たにした.

総合診療の後期研修を考えている人にとって注目すべきは,懇親会にて発表された2つのことであろう.1つ目は専攻医部会の発足である.総合診療専門医研修の充実を図り,安心して研修を受けられるようにサポートし,専攻医同士の交流を活発にする目的で設立されたものである.もう1つは,総合診療医を紹介する動画の公開(https://goo.gl/fCg5pb)である.総合診療医のイメージが掴めるので一度は見てほしい.

来年は四国の高松で5月13〜14日に開催される予定である.ぜひ参加してみてほしい.

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西脇宏樹/編