総合診療はおもしろい!

第29回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
田中いつみ(実行委員長,愛媛大学医学部医学科 6年),吉本 尚(筑波大学医学医療系 地域医療教育学 講師)

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夏といえば,夏セミ

新専門医制度において新しく基本診療科として掲げられた総合診療科.「総合診療」に対する世間のニーズや学生・研修医の興味は右肩上がりである一方で,家庭医療・総合診療に関する卒前・卒後教育はいまだに大学・施設ごとに大きな差があり,必ずしも学生・研修医のニーズを満たしきれていません.

日本プライマリ・ケア連合学会の学生・研修医部会では,全国の学生・研修医に家庭医療・総合診療に関する情報の共有や仲間を見つける場をつくりたいと考えており,地方単位で小規模な勉強会を定期的に開催する支部活動と,2泊3日でみっちり学ぶ年に1回の大型企画「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー(以下,夏セミ)」を企画・運営しております.

盛りだくさんの3日間

参加者・講師の一体感を感じられる瞬間です(初日懇親会にて).

本年度第29回の企画は「卒後10年目からのメッセージ~君もできる! 家庭医療!~」と題した家庭医療の基礎を学ぶ講演や,「『職種』の一歩先へ!思いをつなぐ多職種連携」と題した他の職種がもつ専門性と連携することの大切さを学ぶ企画,45のテーマから5つを選択する参加型の「セッション」,第一線で活躍されている家庭医・総合診療医と熱く語る「Meet the Experts」,家庭医療・総合診療の後期研修プログラムが多数出展し具体的に自らのキャリアを考える「ポスターセッション」,学びの定着度を高め自らの将来を見つめ直すための「振り返り企画」,参加者や講師と熱く語りつくす「懇親会」,医療系学生や研修医のニーズに合わせた「多職種企画」や「初期研修医企画」などがありました.3日間で家庭医療・総合診療のエッセンスを学び,各々で振り返りその学びを定着させると同時に,さまざまな考え方をもった仲間やロールモデルとなる先人と出会うことで将来像をより明確にイメージすることができる内容となっております.

夏セミはつづく

「みちしるべ」をテーマとした今回では,約200人の参加者と約300人の講師が集まりました.家庭医療・総合診療,延いては現行日本で行われている医療について「未知」を知り,これから医療者として進んでいくうえでの「道標」になったのではないかと思います.ここで生まれた仲間とのつながりは,必ずや自分の将来や明日の医療を変えていく強い原動力になると確信しています.

第30回は以下の日程で開催予定です.また多くの参加者とともに大いに学び,語り合うことができれば幸いです.

第30回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー

日程:2018年8月4日(土)〜6日(月)
対象: 医学生,医療系学生,研修医(原則5年目まで)
詳細は夏セミHPをご覧ください.

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