総合診療はおもしろい!

第13回若手医師のための家庭医療学冬期セミナー開催報告
櫻井広子(みちのく総合診療医学センター 専攻医)

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今回は,2018年2月に東京大学で開催された家庭医療学冬期セミナー(通称,冬セミ)の概要を報告いたします.

費用対効果/リハビリ/VBP(価値に基づく医療)/不定愁訴/介護保険/嚥下/動機付け面接/器質疾患/生涯学習/EBM/認知行動療法/ポリファーマシー/ポートフォリオ発表会/在宅医療/脱臼/臨床研究/コーチング/家族志向型ケア/整形OSCE/ワクチン/多職種連携/風邪の漢方/乳幼児OSCE

表 2018年冬セミのWSテーマ概要

2018年度からの新専門医制度がはじまり,「総合診療専門医ってなんだ? 私,このままで大丈夫?」と不安を感じている,皆さんのような初期研修医・若手医師に向けて,同じく若手医師が主体となってつくり上げたセミナーです.進路に悩む初期研修医同士が出会えるセッションなども企画しており,仲間との出会いの場にもなっています.日々の臨床に使える実践的なワークショップ(WS:内容は表を参照)を通じて全国各地の指導医,先輩に会うこともできます.自分のロールモデルが見つかるかもしれません.

今年度の第14回冬セミは2019年2月9日(土),10日(日),東京大学にて開催予定です(日本プライマリ・ケア連合学会HPの「講演会・支部会活動」内に告知ページが設置されますのでチェックしてみてください!参加の募集期間は2018年12月初旬〜2019年1月中旬を予定しています).

新専門医制度開始目前!若手に向けたセミナー

第13回のテーマは「Beginning!」でした.新専門医制度の開始と参加者の一歩を応援するセミナーにできればという思いを込めました.

第13回冬セミスタッフ,全国の心強い仲間です.

このセミナーで主な対象としている「若手医師」は業務,研修などで多忙であり,100人を超える規模で集まれる機会は本当に貴重です.そこで,全体講演は診療所,総合病院と働くセッティングが異なる3人の先生方をお招きし,「総合診療医という選択」というテーマで会場を巻き込んでディスカッションを行いました.それぞれ活躍の場は違えど「目の前の患者さんに真摯に向き合う」という総合診療医マインドを,参加者と共有することができました.総合診療医はキャリア選択の際や,後期研修中に「自分の専門性」について悩むことも多いですが,悩みながらも歩んできた先輩方と語り合うことで「あなたの専門医」になることへの展望をもてたのではないでしょうか.

また,ワークショップと並行して特別企画を2つ行いました.有名研修プログラムのTipsをコンペ形式で紹介した「全国プログラム見える化大作戦」.そして,総合診療専門医にとって必須のポートフォリオを全国有数のプログラム指導者に直接指導してもらえる「あなたのポートフォリオ,磨きます」などのスタッフ発の企画も盛り沢山で開催しました.

専門分野を決めかねている方,「総合診療,家庭医療」がちらっとでも頭よぎったあなた,仲間や先輩に会いに一度遊びに来てみませんか?

その患者,CKD併存かも.腎機能を意識した診療できてますか?

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西脇宏樹/編