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卵母細胞の発生休止と再開

Mechanisms underlying oocyte dormancy and activation
林 克彦
Katsuhiko Hayashi:Graduate School of Medicine, Osaka University(大阪大学大学院医学系研究科)
10.18958/7407-00001-0001142-00

個体発生期に減数分裂をはじめる卵母細胞は,成体の卵巣の中では増殖しないと考えられている.その代わりに多くの卵母細胞は発生を休止して休眠状態となり,その一部が周期的に発生を再開することにより定期的に受精可能な成熟卵子をつくり出している.すなわち卵巣における卵母細胞の発生休止と再開のバランスは個体の生殖ライフスパンを左右するうえで重要であるが,そのメカニズムについては不明な点が多い.本稿では,卵母細胞の発生休止と再開を決定するメカニズムについて,最近の知見を含めて解説する.

卵母細胞,原始卵胞,成長卵胞,FOXO3

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