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マウス精子幹細胞が長期間精子を生産する戦略

Strategies of mouse spermatogonial stem cells for long-term sperm prodcution
鈴木伸之介,吉田松生
Shinnosuke Suzuki1)2)/Shosei Yoshida1)2):Division of Germ Cell Biology, National Institute for Basic Biology, National Institutes of Natural Sciences1)/Course for Basic Biology, The Graduate Institute for Advanced Studies, SOKENDAI2)(自然科学研究機構基礎生物学研究所1)/総合研究大学院大学先端学術院基礎生物学コース2)
10.18958/7407-00001-0001144-00

生殖細胞は,個体内で唯一次世代へ遺伝子情報を伝える細胞である.哺乳類では,卵子は生まれる前に蓄えられる一方で,精子は生涯にわたり精子幹細胞(spermatogonial stem cell:SSC)により,生産され続ける.ここに,SSCがどのようにして長期間にわたり精子を生産するのか? SSCはどのような状態で維持されているのか?という問いが浮かびあがる.本稿では,これらの問いに対する答えの一端をわれわれの研究を交えて紹介し,そこから生まれた新たな問いを掲げる.また,幹細胞の特性を長期間維持することができるSSCの培養系が秘める可能性についても議論する.本稿により,私たちが思うSSC研究の面白さが少しでも伝われば幸いである.

精子幹細胞,組織幹細胞,heterogeneity,幹細胞維持システム

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