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早発卵巣不全の不妊治療への挑戦:基礎研究から臨床応用まで

Challenges in infertility treatment of premature ovarian insufficiency: From basic research to clinical application
河村和弘
Kazuhiro Kawamura:Department of Obstetrics and Gynecology, Juntendo University Faculty of Medicine(順天堂大学大学院医学研究科産婦人科)
10.18958/7407-00001-0001147-00

早発卵巣不全は40歳未満で卵巣内の残存卵胞が極度に減少することで閉経する疾患で,自己の卵子を用いた妊娠は非常に困難である.われわれは,早発卵巣不全患者の卵巣にわずかに残存している卵胞を人為的に活性化させ排卵に至る卵胞まで発育させる方法(IVA:in vitro activation)を,分子生物学的な基礎研究を基盤に開発し,現在臨床応用を行っている.世界初のIVAによる児が生まれて10年が経過し,これまでさまざまなアプローチからIVAの改良を行ってきた.本稿では,IVAの開発と最近の改良について概説する.

早発卵巣不全,PI3Kシグナル,Hippoシグナル,in vitro activation

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