スマホで読める実験医学
550円

SASP誘導の分子機構とその役割

The molecular mechanism and biological role of SASP
高橋暁子,原 英二
Akiko Takahashi1)2)/Eiji Hara3):Project for Cellular Senescence, Cancer Institute, Japanese Foundation for Cancer Research1)/JST, PRESTO2)/Department of Molecular Microbiology, Research Institute for Microbial Diseases, Osaka University3)(公益財団法人がん研究会 がん研究所 細胞老化プロジェクト1)/国立研究開発法人科学技術振興機構さきがけ2)/大阪大学微生物病研究所遺伝子生物学分野3)
10.18958/6397-00001-0001239-00

老化細胞の表現型の1つであるSASPには,生体の恒常性維持という正の側面と,炎症反応による病態への関与という負の側面が存在することが明らかになりつつある.老化細胞からの炎症性タンパク質の分泌を総称するSASPという概念が生まれて10年が経つが,その分子機構や機能の全貌はいまだ解明されていない.一方で,加齢性疾患制御の観点から,生体に有害なSASPの制御法の開発が期待されている.本稿では,これまでの研究で徐々に明らかになってきたSASPの誘導機構と生体での役割,さらに新規SASP因子について概説する.

細胞老化,p16INK4a,SASP(senescence-associated secretary phenotype),DNAセンサー,細胞外小胞

この記事は有料記事です

(残り約7,200文字)

  • 【スマホで読める実験医学】SASP誘導の分子機構とその役割
    550円