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細胞老化維持機構と創薬

Mechanisms underlying maintenance of senescent cells and their implications in senotherapy
城村由和,大森徳貴,中西 真
Yoshikazu Johmura/Satotaka Omori/Makoto Nakanishi:Division of Cancer Cell Biology, Institute of Medical Science, The University of Tokyo(東京大学医科学研究所 癌・細胞増殖部門癌防御シグナル分野)
10.18958/6397-00001-0001242-00

今から60年以上前に,正常細胞を試験管のなかで培養するとある一定回数の分裂の後に決まって増殖を停止する(分裂寿命)が,その細胞は長期間にわたり生存することが見出された1).この増殖を停止した細胞は老化細胞と名付けられ,いかなる外的刺激に対しても恒久的に反応しない.当初,細胞老化は培養系でのアーチファクトと疑われていたが,個体内においても老化細胞が存在し,この蓄積が動脈硬化や2型糖尿病などの加齢性疾患の発症や2)3),健康寿命を制御する実験結果が示された4)5).本稿では,老化細胞の示す特徴的な性質を維持する分子機構と,老化細胞を標的とした創薬について紹介する.

細胞老化,DNA損傷応答,アポトーシス,老化細胞除去,加齢性疾患

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