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老化細胞除去マウスとsenolytic薬

Senolysis mouse and senolytic drug
杉本昌隆,三河隆太
Masataka Sugimoto1)2)/Ryuta Mikawa1):Section of Immunology, National Institute for Geriatrics and Gerontology1)/Molecular Aging Research, Nagoya University Graduate School of Medicine2)(国立長寿医療研究センター・免疫研究室1)/名古屋大学大学院医学研究科・基礎老化科学連携講座2)
10.18958/6397-00001-0001243-00

ヒトを含む哺乳動物において細胞老化は,がん抑制機構として重要な役割をもつことが古くから知られていた.一方,細胞老化を起こした細胞(老化細胞)はSASPを介し,周辺の環境に影響を与えることが明らかになっている.このような老化細胞の細胞非自律的な機能は,組織の加齢性変化の一因であると考えられている.近年,老化細胞の除去(senolysis)が可能な遺伝子改変マウスを用いた実験結果が次々に報告され,これまで知られていなかった老化細胞の生理機能が明らかになってきた.本稿では,老化細胞を標的とした創薬の可能性を含め,senolysisに関する知見を紹介する.

細胞老化,senolysis,senolytic薬

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