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ALS病態における液-液相分離と非膜性構造の異常

Abnormalities of phase-phase separation and membraneless organella in ALS pathogenesis
小池佑佳,石原智彦,小野寺 理
Yuka Koike/Tomohiko Ishihara/Osamu Onodera:Department of Neurology, Brain Research Institute, Niigata University(新潟大学脳研究所神経内科学分野)
10.18958/6377-00001-0001262-00

TDP-43やFUSに代表される,筋萎縮性側索硬化症(ALS)関連タンパク質の多くは,RNA結合タンパク質であり,複数の生体高分子と凝集し,非膜性の集合体を形成する.この現象は液-液相分離(LLPS)とよばれる.LLPSと類似の挙動を呈する非膜性の細胞構造の一つであるGEM小体は,スプライソソーム成熟に寄与する.われわれは,TDP-43発現抑制細胞とALS患者由来組織において,GEM小体数減少を示した.このことは,ALS関連タンパク質の機能喪失により,スプライソソーム機能不全を介したスプライシング破綻が生じることを示す.

筋委縮性側索硬化症,RNA結合タンパク質,TDP-43,membraneless organella,GEM小体

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