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液-液相分離を介したクロマチン機能制御

Regulation of chromatin function via liquid-liquid phase separation
野澤竜介
Ryu-Suke Nozawa:Division of Experimental Pathology, Cancer Institute of the Japanese Foundation for Cancer Research(公益財団法人がん研究会がん研究所実験病理部)
10.18958/6377-00001-0001260-00

遺伝子発現の調節,DNAの複製や分配,そしてDNA損傷修復といったクロマチン機能は,細胞周期を通して厳密に維持・制御されている.近年,細胞核内においてクロマチンタンパク質の液-液相分離が観察され,クロマチン機能やそのプラットフォームとなるクロマチン構造の維持・制御メカニズムの理解に,液-液相分離の概念を導入した新たな解釈が見出されつつある.そこで本稿では,ヘテロクロマチン形成や転写活性の場の形成に寄与すると考えられる液-液相分離について最新の報告を紹介するとともに,液-液相分離の誘発メカニズムやその生物学的意義を考察したい.

クロマチン構造,タンパク質のリン酸化,ヘテロクロマチン,転写活性領域,RNA

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