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脳内からの異常タンパク質排出:脳血液関門・グリアリンパシステム

Drainage of abnormal proteins from the brain – roles of blood-brain barrier and glymphatic system
樋口真人,田桑弘之
Makoto Higuchi /Hiroyuki Takuwa:Department of Functional Brain Imaging Research, National Institute of Radiological Sciences, National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology(量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所脳機能イメージング研究部)
10.18958/6331-00001-0001291-00

脳は免疫特権を有し,全身の免疫系から隔離されていると考えられていたが,最近になり硬膜内にリンパ管が発見され,この考え方が改まりつつある.脳実質内でも血管周囲に脳脊髄液や間質液の流路となるグリアリンパシステムが存在することが示され,このシステムが血液や脳脊髄液と脳実質をつなぐ役割について,注目が集まっている.硬膜内リンパ管やグリアリンパシステムは,加齢に伴って生じる神経変性疾患病態にかかわる異常タンパク質の排出系として機能する可能性があり,アルツハイマー病で脳内に沈着するアミロイドβ(Aβ)やタウの排出に,これらの系が寄与するという基礎実験データが示されてきている.

グリアリンパシステム,硬膜内リンパ管,アストロサイト,周囲細胞,アミロイドβ,タウ

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