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【スマホで読める実験医学】神経変性疾患の抗体医薬・核酸医薬
550円
現在,日本における認知症対策は将来の日本社会における大きな課題であり,世界のなかでもどのように高齢化社会における諸問題に対処してゆくのかが大きな注目を集めている.幸い本邦においてはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を含めアルツハイマー型認知症に対する新薬開発の流れがあるが,これらは現在のところ対症療法的な薬剤としての位置づけである.そのため根本的な疾患治療薬の出現が待たれており,いくつかの試みが創薬アプローチおよび臨床治験として進行中である.アルツハイマー型認知症の病態生理や病理的原因論に対する理解が深まるなかで,2つの仮設である「アミロイドβ(Aβ)凝集体」と「タウ凝集体」の除去および生成制御がその治療戦略として主流となっている.その技術的なプラットフォームとしてはAβやタウに対する抗体医薬,Aβ前駆体からの切断酵素に対する阻害剤(低分子化合物),タウの異常リン酸化阻害剤,Aβやタウをターゲットとする免疫療法など,多くの試みが進行中であるがいまだ根本治療薬は承認されていない.本稿ではこれらの創薬的な試みを紹介するとともに今後の治療戦略や課題についても論じたい.
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