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食用油を起点に形成される脂質代謝ネットワークと免疫制御

Dietary oil-originated lipid network and immune regulation
長竹貴広,國澤 純
Takahiro Nagatake/Jun Kunisawa:Laboratory of Vaccine Materials, Center for Vaccine and Adjuvant Research, and Laboratory of Gut Environmental System, National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition(NIBIOHN)(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターワクチンマテリアルプロジェクト/腸内環境システムプロジェクト)
10.18958/6319-00001-0001308-00

生体内の脂質代謝ネットワークは食事として摂取する油の脂肪酸組成や代謝酵素の発現,腸内細菌叢などの因子が複雑に絡み合って形成される.近年,免疫・アレルギー・炎症反応の制御に実効分子として機能する脂質代謝物が同定され,腸内細菌の関与も含めた分子・細胞・個体の各レベルでの作用機序の解明が進んでいる.本稿では,必須脂肪酸であるω3,ω6脂肪酸に焦点を当て,脂質代謝物のもつ抗アレルギー,抗炎症作用や,食餌性脂肪酸を起点に腸内細菌から産生される脂質代謝物の機能など,脂質のもつ多彩な生体調節作用を中心に概説したい.

食用油,ω3脂肪酸,代謝,17,18-EpETE,腸内細菌

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