スマホで読める実験医学
550円

食行動と栄養摂取をむすぶ味覚受容体による味分子認識

Recognition of taste substances by taste receptors underlies the connection between feeding behavior and nutrition intake
山下敦子
Atsuko Yamashita:Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama University(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
10.18958/6319-00001-0001313-00

われわれは味覚をもっているおかげで,生きていくために必要な日々の食行動において,喜びや楽しみを感じることができる.味覚は,口腔内の味の感覚器において,生存に有益となる物質を「おいしい」,あるいは有害な物質を「まずい」と感知し,その情報を脳に伝達して,摂食行動を制御する.この味覚受容の分子レベルでの詳細なメカニズムの解明は途上にあったが,最近,味覚のフロントラインを担う味物質のセンサータンパク質・味覚受容体について,分子レベル解析が進展し,生存に必要な栄養素を巧妙に認識するしくみが明らかになりはじめている.

味覚,味覚受容体,taste receptorタイプ1(T1r),GPCR,アミノ酸

この記事は有料記事です

(残り約7,200文字)

  • 【スマホで読める実験医学】食行動と栄養摂取をむすぶ味覚受容体による味分子認識
    550円