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アミノ酸シグナルの解明からがん治療へ:アミノ酸トランスポーター阻害によるがん代謝制御

Amino acid signaling and cancer therapeutics targeting cancer-specific amino acid transporter
大垣隆一,金井好克
Ryuichi Ohgaki/Yoshikatsu Kanai:Department of Bio-system Pharmacology, Graduate School of Medicine, Osaka University(大阪大学大学院医学系研究科生体システム薬理学)
10.18958/6319-00001-0001309-00

アミノ酸は,細胞内でタンパク質合成の原材料あるいはエネルギー源として利用されると同時に,mTORC1経路などを介して多様な細胞機能を制御するシグナル分子として機能する.がん細胞では,必須アミノ酸の取込みを担うLAT1など特定のアミノ酸トランスポーターの発現が亢進しているとともに,アミノ酸シグナルの破綻が生じており,これらが腫瘍成長や悪性化に寄与することが知られている.本稿では,アミノ酸トランスポーターの下流に広がるアミノ酸シグナル伝達の分子メカニズムと,そのシグナル経路の起点であるトランスポーターを標的にした,代謝制御薬としてのがん治療薬の可能性について紹介する.

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