スマホで読める実験医学
550円

社会的ジェットラグ24時間社会の課題

Issues for 24-hour society:social jetlag
駒田陽子
Yoko Komada:Liberal arts, Meiji Pharmaceutical University(明治薬科大学リベラルアーツ)
10.18958/6285-00001-0001323-00

睡眠負債による社会機能低下と,その経済的損失が指摘されている.24時間社会に生きるわれわれは,いつでもどこでも世界とつながることができ,体内時計を軽視しがちである.社会が求めるスケジュールに従った睡眠時間帯と,各人がもつ体内時計や睡眠欲求に従った睡眠時間帯との間には,往々にしてずれがあり,これを社会的ジェットラグという.近年の研究から,社会的ジェットラグが心身の健康に負の影響を及ぼすことが明らかになってきた.日常的によく経験するレベルの睡眠時間帯のずれであっても,パフォーマンスの低下,精神的健康の悪化,内分泌機能の変化と関連することが示されている.健康で豊かな社会を実現するために,個々人でできる対策とともに,社会のあり方の見直しも進めていく必要がある.

睡眠負債,社会的ジェットラグ,クロノタイプ,公衆衛生,健康

この記事は有料記事です

(残り約7,800文字)

  • 【スマホで読める実験医学】社会的ジェットラグ 24時間社会の課題
    550円

関連書籍

実験医学2019年2月号 Vol.37 No.3

時間生物学からサーカディアン・メディシンへ

24-hour societyに挑む概日リズム研究のステージチェンジ

  • 八木田和弘/企画
  • 定価:2,200円(本体2,000円+税)