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リバース・トランスレーショナル研究としてのマウスコホート概日リズム撹乱と健康問題の因果性に挑む

“Mouse Cohort Study” as a reverse-translational research of circadian disorders
井之川 仁,梅村康浩,八木田和弘
Hitoshi Inokawa/Yasuhiro Umemura/Kazuhiro Yagita:Department of Physiology and Systems Bioscience, Kyoto Prefectural University of Medicine(京都府立医科大学大学院医学研究科統合生理学)
10.18958/6285-00001-0001324-00

ヒトの疫学研究から,24時間社会がもたらす生活時間と体内時計のズレが生涯にわたるさまざまな健康問題と相関することが示唆されている.しかし,概日リズムの乱れがなぜこれらの疾患の発症につながるのか? 本当に概日リズムの乱れだけで健康に大きな影響があるのか? これらのヒトの疫学研究では限界があった因果性について,概日リズム撹乱モデル系を用いた前向き観察研究「マウスコホート研究」によって検証するアプローチを紹介する.この挑戦を通し,リアル・ワールドの問題をリバース・トランスレーショナル研究という視点で捉えることによって実験医学的解明が可能な科学的「問い」として抽出するという,新たな概日リズム研究プラットフォームを提起する.

マウスコホート研究,リバース・トランスレーショナル研究,概日リズム撹乱,慢性炎症,生涯健康医学

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