スマホで読める実験医学
550円

フィールドでの熱帯病原性微生物タイピング

Genotyping of pathogens in tropical fields
山岸潤也,Lucky Runtuwene,林田京子,鈴木 穣
Junya Yamagishi1)/Lucky Ronald Runtuwene2)/Kyoko Hayashida1)/Yutaka Suzuki2):Division of Collaboration and Education, Research Center for Zoonosis Control, Hokkaido University1)/Department of Medical Genome Sciences, Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo2)(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター1)/東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻2)
10.18958/5527-00001-0001466-00

シンガポールではデングウイルス感染者が日々発生しているが,それがニュースになることはない.一方,本邦では2015年のデングウイルスの国内感染例が大いに世間を騒がせた.これは日本人にとって熱帯感染症がそれだけ遠い世界の物語である(と思い込んでいる)ことを示していることの証左といえる.しかしながら目を世界に転じれば,そこには熱帯感染症が満ち溢れている.本稿では,近年のポータブルシークエンサーMinIONの熱帯感染症病原性微生物,特にその野外株についてのゲノム解析の応用について概説する.on siteでのシークエンスがより普及すれば,さらに多くの多型あるいは新規の病原性微生物が同定されるかもしれない.

迅速ジェノタイピング,リアルタイム病原体トラッキング,熱帯感染症,One Health

この記事は有料記事です

(残り約6,200文字)

  • 【スマホで読める実験医学】フィールドでの熱帯病原性微生物タイピング
    550円