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リピート数が関与する疾患の診断に向けて:サブテロメア領域のD4Z4マクロサテライトリピートを読む

Deciphering D4Z4 subtelomeric macrosatellite repeats using MinION
三橋里美,中川 草,上田真保子,今西 規,Martin C Frith,三橋弘明
Satomi Mitsuhashi1)/So Nakagawa2)3)/Mahoko Takahashi Ueda3)/Tadashi Imanishi2)/Martin C Frith4)〜6)/Hiroaki Mitsuhashi7):Department of Human Genetics, Yokohama City University GraduateSchool of Medicine1)/Biomedical Informatics Laboratory, Department of Molecular Life Science, Tokai University School of Medicine2)/Micro/Nano Technology Center, Tokai University3)/Artificial Intelligence Research Center, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology(AIST)4)/Graduate School of Frontier Sciences, University of Tokyo5)/Computational Bio Big-Data Open Innovation Laboratory(CBBD-OIL), National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)6)/Department of Applied Biochemistry, School of Engineering, Tokai University7)(横浜市立大学医学部遺伝学1)/東海大学医学部分子生命科学2)/東海大学マイクロ・ナノ研究開発センター3)/産業技術総合研究所人工知能研究センター4)/東京大学大学院新領域創成科学研究科5)/産業技術総合研究所産総研・早大生体システムビッグデータ解析オープンイノベーションラボラトリ6)/東海大学工学部生命化学科7)
10.18958/5527-00001-0001469-00

メンデル遺伝病もしくは単一遺伝子疾患は,ひとつの遺伝子変異が高い浸透率で病気を引き起こす疾患である.単一の分子遺伝学的な原因が明確な表現型へとつながるため,患者家系のシークエンス解析により多くの疾患関連遺伝子が発見されてきた.現在,最も汎用されている方法は大量のショートリードシークエンスによるエクソーム解析であり,原因遺伝子の発見や患者のゲノム診断に成果をあげている.しかし,複雑なゲノム構造異常やリピートのコピー数異常など,この方法では検出困難な変異も存在する.本稿では,特異な原因により発症する骨格筋の遺伝性疾患について,現時点ではナノポアシークエンサーでしか実現できないであろうゲノム診断の可能性について述べる.

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD),マクロサテライトリピート,ロングリードシークエンス,D4Z4

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