この記事は有料記事です
(残り約7,600文字)
-
【スマホで読める実験医学】バイスペシフィック抗体の技術開発と医薬品の創製:特に血友病に対する次世代抗体医薬について
550円
抗体医薬は,その標的に対する特異性やがん免疫療法を中心とした新しい領域の発展から,多くの製薬企業やバイオベンチャーが,有用なモダリティの一つとして開発に力を注いでいる.バイスペシフィック抗体は,その特性から通常の抗体では達成できない新たな機能を発揮することが期待され注目されている.例えば通常の抗体では,1つの標的分子の作用を中和する一方,バイスペシフィック抗体では,2つの病原物質をしかも同時に中和することができ,薬効の増強が期待されている.また,バイスペシフィック抗体により,同一の標的分子に対して2つの異なるエピトープを認識することで新しい作用機序を提供できるほか,異なる細胞表面抗原を認識するバイスペシフィック抗体には,2種の細胞を架橋することによる薬効の発現,あるいは同一細胞上の異なる抗原を架橋することによる細胞内へのシグナル伝達などの作用が期待されている.本稿では,バイスペシフィック抗体の技術開発と,最近日米欧で承認を得た血友病Aに対するバイスペシフィック抗体であるエミシズマブ(HEMLIBRA®)を紹介する.
この記事は有料記事です
(残り約7,600文字)
【スマホで読める実験医学】バイスペシフィック抗体の技術開発と医薬品の創製:特に血友病に対する次世代抗体医薬について
550円