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免疫寛容を標的とした抗体医薬によるがん免疫療法

Cancer immuno-therapy using antibody pharmaceuticals targeting immune-tolerance
岡崎 拓,岡崎一美
Taku Okazaki / Il-mi Okazaki:Division of Immune Regulation, Institute of Advanced Medical Sciences, Tokushima University(徳島大学先端酵素学研究所免疫制御学分野)
10.18958/5653-00001-0001548-00

免疫応答が自己組織を攻撃して自己免疫疾患を惹起することを防止する機構を免疫寛容という.近年,免疫寛容を司るPD-1という膜タンパク質に対する阻害抗体が,さまざまながん腫に対して劇的な治療効果を示し,多くの分野に衝撃を与えた.現在,PD-1阻害療法と関連して,1,000以上の治験が世界中で繰り広げられており,その衝撃はさらなる広がりを見せている.今後,PD-1阻害療法を基盤技術としたより効果的ながん免疫療法,さらには免疫応答を自在に操作し,さまざまな疾患を完治させるような次々世代抗体医薬への発展が期待される.

免疫寛容,腫瘍免疫,自己免疫,免疫補助受容体,PD-1,CTLA-4

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