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糖タンパク質を標的とした革新的がん特異的抗体の開発

Development of innovative cancer-specific antibodies
加藤幸成,金子美華
Yukinari Kato/Mika K. Kaneko:Department of antibody drug development, Tohoku University Graduate School of Medicine(東北大学大学院医学系研究科抗体創薬研究分野)
10.18958/5653-00001-0001549-00

タンパク質・糖鎖・脂質などを,高感度かつ特異的に検出するための最も簡便で有用なツールは抗体である.特に,単一のエピトープをもつモノクローナル抗体は,実験的ツールとしてだけでなく,あらゆる病気の診断や治療に活用されている.一方,がん細胞に特異的な抗体を樹立しなければ,常に正常組織への毒性が懸念される.しかしながら,がん細胞だけに高発現している分子は限られており,標的分子はもはや枯渇したと言われて久しい.本稿では,われわれが近年開発したがん特異的抗体作製法(CasMab®法)の開発に至った経緯を紹介する.

がん特異的抗体,モノクローナル抗体,膜タンパク質,糖ペプチド,糖鎖,ポドプラニン

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