スマホで読める実験医学
550円

皮膚とマクロファージ

Macrophages in the skin
中溝 聡,江川形平,椛島健治
Satoshi Nakamizo1)/Gyohei Egawa2)/Kenji Kabashima2):Singapore Immunology Network and Institute of Medical Biology, Agency for Science, Technology and Research(A*STAR)1)/Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine2)(シンガポール科学技術研究庁1)/京都大学大学院医学研究科皮膚科学2)
10.18958/6191-00001-0001569-00

皮膚は生体を外界と隔てる最大の臓器であり,病原微生物や抗原などに常にさらされている.そのため,皮膚にはさまざまな免疫細胞が存在しており,それぞれの細胞が相互作用することで,外来抗原に対応した皮膚炎反応が誘導される.マクロファージは死細胞やその破片,体内に生じた変性物質や侵入した細菌などの異物を捕食して消化し,いわば清掃屋の役割を果たす.また,捕食した抗原を主要組織適合遺伝子複合体上に提示する抗原提示細胞でもある.皮膚疾患においては各種皮膚感染症,異物の侵入による肉芽腫形成において重要な役割を担うが,近年,炎症性疾患の病態形成においても重要な役割を果たすことが明らかになった.本稿では,古典的な皮膚炎である接触皮膚炎に対するマクロファージの働きを中心に述べる.

マクロファージ,皮膚,接触皮膚炎,ランゲルハンス細胞

この記事は有料記事です

(残り約6,000文字)

  • 【スマホで読める実験医学】皮膚とマクロファージ
    550円