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神経変性疾患におけるミクログリア病態・神経炎症

Microglial pathology and neuroinflammation in neurodegenerative diseases
祖父江 顕,遠藤史人,山中宏二
Akira Sobue/Fumito Endo/Koji Yamanaka:Department of Neuroscience and Pathobiology, Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University(名古屋大学環境医学研究所病態神経科学)
10.18958/6191-00001-0001571-00

中枢神経系におけるマクロファージ様細胞として知られるミクログリアは中枢神経系の環境を監視し,正常脳では神経回路の恒常性維持などに重要な役割を担っている.正常時でのミクログリアは細胞体が小型で多くの細長い突起を伸ばした形態をしているが,活性化すると細胞体が肥大し突起を短縮した形態に変わり細胞外タンパク質や異物の貪食,サイトカインなどの液性因子の産生放出を引き起こす.これら活性化ミクログリアには神経傷害型(M1)と神経保護型(M2)などの分類があり,その活性調節が中枢神経系疾患の病態進行に深く関与することが報告され,治療薬開発における有望な標的細胞として注目されている.

アミロイドβ,ミクログリア,アルツハイマー病,筋萎縮性側索硬化症

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