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ストレス応答の「場」を形成する核内非膜オルガネラ

Nuclear membrane-less organelles form the “Sites” of stress response
秋光信佳
Nobuyoshi Akimitsu:Isotope Science Center, The University of Tokyo(東京大学アイソトープ総合センター)
10.18958/7529-00001-0001669-00

液-液相分離によって形成される構造は凝縮体や顆粒とよばれてきたが,その生理的役割が明らかになるにつれ,非膜オルガネラとも称されるようになってきた.これら非膜オルガネラの形成と生理的機能の制御には,ノンコーディングRNAやmRNAなどのRNA分子が重要な役割を担っている.また,液-液相分離現象は細胞内外の物理化学的変化に鋭敏に反応し,ストレス状態への迅速な応答の「場」として働くと考えられるようになってきた.本稿では,核内非膜オルガネラを中心に,その構造と機能におけるRNA分子の役割を解説するとともに,最近注目される非膜オルガネラとストレス応答との関係を紹介する.

核内非膜オルガネラ,ストレス顆粒(SG),ストレス応答,ノンコーディングRNA,転写制御

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